皮膚科の病気 Q&A
皮膚科の病気  Q&A

皮膚科の病気 Q&A

Q1.やけどをしたら?

A.慌てずに、冷たい水ですぐに冷やしましょう。

時間は、5分から20分。 衣服などは無理にぬがさなくてけっこうです。 シャワーや、水道水をかけられる部位は、流れている水をかけ続けて冷やします。
シャワーなどをかけられない部位は、氷や保冷剤をタオルやガーゼに包んで患部を冷やしましょう。 全身のやけどの場合は、水をためた浴槽につかります。
冷やした後は、皮膚科か形成外科を受診しましょう。

※注意
氷などを直接患部に当て続けると、凍傷になる場合があります。必ず、タオルなどで包みましょう。
全身を冷やす場合、冷やし過ぎでの低温症や、風邪をひかないように気を付けてください。

Q2.やけどの処置は?

A.やけどの後に水疱ができたら、水疱は無理につぶさないでください。

傷は、乾かさないでください。やけどを含めて、傷は乾かさない方が綺麗に早く治ります。皮膚科で出された軟膏を塗った後は、ガーゼなどで必ず保護しましょう。感染症を防ぐ意味でも重要です。感染していない場合、症状によっては、湿潤療法、被覆材を貼る処置もおすすめです(どのような処置が適しているか、専門医の受診を受けてください)。

Q3.低温やけどって何?

A.湯たんぽ、使い捨てカイロ、ホットカーペット、ヒーターなどを長時間皮膚にあてることによって起こるやけどを低温やけどといいます。

思いのほか後からひどくなることが多くあります。気が付いたら、症状が軽いと思ってもよく冷やし、医療機関を受診しましょう。

Q4.皮膚科でのやけどの治療は?

A.やけどをしたばかりの場合は、水道水を流しながら患部を冷やし、その後、強い炎症止めの外用薬を塗ります。やけどが深くなるのを防ぐためです。

その後は、細菌感染しないように注意しながら症状にあわせた外用処置をしていきます。
処置は、毎日、綺麗に洗って軟膏を塗りガーゼで保護して頂く方法の他、湿潤療法を選択して行う場合があります。湿潤療法は、インターネットなどでもやり方が紹介されていますが、家庭で安易に行うと感染症を引き起こしてしまうことがあり、注意が必要です。医師の指導による処置をおすすめします。
また、部位と深さによっては、治るときに皮膚が引きつれて関節が曲がったままになって動きにくくなることがあります。この症状を拘縮といいます。拘縮予防も指導致します。

Q5.虫刺され及び虫刺され跡の対処方法を教えてください。

A.虫に刺されたら、手元にステロイド軟膏がありましたら、すぐに塗ってください。

薬がなければ、冷やしましょう。かゆみがひどく治らない場合には、皮膚科を受診してください。
ハチに刺された、ムカデに噛まれた、クラゲに刺された場合などは、よく洗浄後、なるべく早く皮膚科を受診しましょう。
虫刺され跡も、いじらないこと、かかないことが大切です。皮膚科では、軟膏以外に貼るタイプのお薬を出すこともあります。貼っている間は、いじれませんし効果的です。

Q6.ステロイド軟膏は怖くない?

A.元々、ステロイドとは、私たちの体の中でもつくられている副腎皮質ホルモンです。

内服薬と外用薬があり、外用であるステロイド軟膏は全身に吸収されないため、全身性の副作用をおこすことはまずありません。局所的な副作用がほとんどです。
では、局所的な副作用とは何でしょうか。

  1. ニキビができやすくなる。
  2. 産毛が生える。
  3. 同じ場所に塗り続けると血管がやや目立つようになることがある。
  4. 同じ場所に塗り続けると、皮膚がやや薄くなることがある。
  5. 皮膚が薄くなりすぎて、皮膚線状ができることがある。

などがあげられます。①から④は塗ることを止めると元にもどります。⑤は戻りません。いずれも見た目でわかることなので、専門医の定期的な診察を受けていれば早めに対処ができます。
けっして、ステロイド軟膏は怖い薬ではありません。
また、ステロイド軟膏を塗って皮膚が黒くなった、という方がいらっしゃいますが、皮膚が黒くなったのはステロイド軟膏を塗ったことが原因ではありません。湿疹などの炎症が治った後の色素沈着です。湿疹などの炎症を長くほっておいた方が、色素沈着は強くおきます。ステロイド軟膏を早めに塗り、早く治した方が色素沈着は起きにくくなります。また、怖がって薄く塗っていると症状が良くならず結果的に長く塗ることになり、副作用も出やすくなります。ステロイド軟膏は、専門医の指導のもとで正しく使えば安全な薬です。

Q7.アトピーの原因って何?

A.アトピーの原因、もしくは症状を悪化させる要因として、体質と身の回りの環境(環境要因)があげられます。

遺伝子解析の結果、遺伝的な要因として、皮膚のバリア機能遺伝子(フィラグリン遺伝子)、や免疫関連遺伝子が関係していることがわかっています。ですが、アトピーは全て親から子供に遺伝するわけではありません。
もうひとつの要因、環境要因には、冬場の空気の乾燥、夏場の気温の上昇、埃っぽい室内環境、受験・就職・寝不足などによるストレス、不規則な生活、合併する食物アレルギー、合併する花粉症などがあります。

Q8.アトピーの人がやってはいけないことを教えてください。

A.一番やってはいけなことは、治療を中断してしまうことです。

良くなったから治療をやめた、治療していてもよくならないからやめた、治療しているときはいいけど、やめると悪くなるから治療をやめた、など患者さんそれぞれの理由があるかと思います。
アトピー性皮膚炎は慢性の病気です。高血圧や糖尿病の方と同じで、治療を継続しなくてはいい状態を保てません。反対に、治療を継続すればいい状態を保つことができます。
また、保湿剤はたっぷり塗る、汗はかいてもいいのですが、その汗はなるべく早く流す、拭くなどのスキンケアを怠らないことも重要です。
下着は、綿のものを着用しましょう。ヒートテックなどの化学繊維は皮膚症状を悪くします。
その他は、特にしてはいけないことはありません。アトピーの方も、きちんとした治療を続けながら生き生きと生活なさっていただきたいと思います。その方独自の注意事項は、主治医のアドバイスを参考になさってください。

Q9.アトピーの皮膚科での治療法ってどんな治療法?

A.基本は保湿剤とステロイド軟膏の外用、抗アレルギー剤(花粉症の時に飲むお薬と一緒です)の内服です。

ステロイド軟膏の代わりにタクロリムス軟膏(商品名プロトピック軟膏)という軟膏を使う場合もあります。ステロイド軟膏の強さは、部位と症状から医師が決めていきます。 同じ外用薬でも塗り方、塗る量で、効果は違ってきます。最初、症状がひどい時には、たっぷりと塗り、症状がよくなってきたら、塗る量を少なくしていきます。
当院では、症状がいい状態の時も予防的にお薬を塗るプロアクティヌ療法というやり方をおすすめしています。症状が悪い時だけお薬を塗って、良くなるとやめてしまうのでは、すぐに再発してしまいます。症状がいい時にも、弱いお薬に変更して、また塗る回数を少なくして治療を継続していくことが、悪化防止には大切です。プロアクティブ中にも症状の悪化があるときもありますが、プロアクティブ中の再発はすぐにコントロールができます。
お薬を塗らない日も、保湿剤は必ず塗りましょう。
症状が非常に悪い場合には、シクロスポリン内服療法という免疫抑制剤の内服や紫外線療法を行うこともあります。

Q10.じんましんの原因は?

A.じんましんの原因は、食べ物や薬、虫に刺された、植物を触ったなど特定できることもありますが、わからないことも多くあります。

原因としては、

  1. 食べ物、薬
  2. 虫に刺された
  3. 植物に触れた
  4. 機械的な刺激(下着で締め付けた、うでにバッグをかけていた、強く掻いたなど)
  5. 寒冷・温熱(入浴時に痒くなる、寝てから痒くなるなど)
  6. 日光
  7. ストレス
  8. 感染症

などが、言われています。
食べ物では、エビ、カニ、貝、青魚、豚肉、加工食品、タケノコ、大豆、そばなどは原因となりやすいものです。また、果物や野菜が原因になることもあります。
果物が原因の場合、食べた直後より口唇や口腔内が腫れることから始まる口腔アレルギー症候群の場合があります。花粉症やゴムのアレルギーとも関係し、場合によってはアナフィラキシーショックを起こすこともあります。
また、ある特定の食べ物を食べてから運動すると誘発される運動誘発性のものもあります。代表的な食べ物は小麦です。こちらもアナフィラキシーショックを起こすことがあり注意が必要です。
原因は検査でわからないことが多く、どういうときに症状が繰り返し出るか、ということから原因を考えていくことも多くあります。
寝不足や疲労も関係しているようです。

Q11.足の裏のホクロは癌?

A.足の裏のホクロが癌といわれることがありますが、足の裏のホクロが、全て悪性というわけではありませんのでご安心ください。

左右対称性の丸いクリッとしたホクロで6mm以下の場合は、良性と考えていいでしょう。注意したい症状は、非対称性で境目が不規則、色むらがあり6mm以上の場合です。このような症状がある場合には、すぐに皮膚科専門医の診察を受けましょう。当院では、ダーモスコープという拡大鏡を使用して、ホクロの診察を行っております。

Q12.汗疱(かんぽう)―指にできるかゆいブツブツ、夏に悪化する手荒れ、1年中の手荒れ、原因は?

A.冬だけではなく、手が1年中あれているという方がいらっしゃいます。

お聞きすると、あれる前にプツプツと水疱のようなものができて痒いとのこと。それは、汗疱(かんぽう)です。汗疱とは、その名のとおり汗の水疱で暑い夏のほうができやすく、ほっておくと繰り返し皮が剥け手の皮膚はガサガサになって異汗性湿疹という状態になります。普通の洗剤やお水による手荒れと違うので、注意することも違ってきます。
原因は、金属アレルギーとも言われていますが、現在のところはっきりしていません。
ですが、多汗でアレルギー体質の方に多いようです。
喫煙は汗疱発症に関係があるようで、できましたら禁煙をおすすめします。また、チョコレート、ココア、玄米、落花生ナッツ類を食べることも控えた方がいいようです。
暑くなり汗がでることが悪いのですから、洗い物をするときのお湯の温度は熱すぎないように注意しましょう。お風呂の温度も熱すぎないように。なるべく高温多湿を避けましょう(夏は難しいですが)。手をよく洗うことで改善することもあるようです。
治療はステロイド軟膏の外用が基本となりますが、当院では、エキシマレーザーの照射なども行っております(保険が効きます)。お困りの方、ご相談ください。

Q13.ニキビ跡って治るの?

A.残念ながらニキビを跡にしてしまうと、保険診療では治りません。

当院では、ニキビ跡治療に対応できるように、IPLやフラクショナルレーザー治療など多種の自費診療メニューを用意しております。
ご希望の方は、お気軽に自費診療でご相談ください。

Q14.大人になって口の周りにニキビが次から次へとできる訳を教えてください。

A.ストレスからくるホルモンバランスの乱れが皮脂の分泌を増やし口周りのニキビをできやすくします。

また、胃腸が悪いこと(ストレスがあると暴飲暴食をしてしまい胃腸の調子が悪くなることもあります)、メイクで毛穴をふさいでしまうことや、髭剃りが悪化因子となっている場合もあります。また、最近では、乾燥が大人ニキビの大きな原因になることがわかっています。
次から次にできるのは、毛穴がつまってしまっているからです。できていない部位も含めて角質のケアをしていくことで、出来にくくします。
皮膚科では、ディフェリンゲルという角質ケアのお薬を保険診療で処方します。
また、保険診療で物足りない方のために当院では、ピーリング、IPL照射、LED照射、レーザー治療などの自費診療メニューをそろえております。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。

Q15.このシミ消えますか?

A.シミ治療は、自費診療となります。

シミが消えるか消えないかは、シミの深さやお手入れにもよりますが、今よりは薄くすることができます。もちろん、ほとんどなくなる場合もあります。
当院では、外用治療からフォトセラピー、レーザーまで各種の治療法を選択して頂けます。また、薄くなった後のお手入れ、また濃くならないような注意も指導させて頂きます。お気軽にご相談ください。

Q16.女性皮膚科医として気を付けていることを教えてください。

A.お顔の痒みや皮疹の場合、使っている化粧品、使っているクレンジング、洗顔料のタイプまでお聞きします。

必要でしたら、その方にあっていると思われるクレンジングをお分けし、治療中使っていただきます。病気を治すだけではなく再発しないような日常生活の注意もお話しするようにしています。使う化粧品にも気を使いたい方にお応えできるように化粧品も取り扱っております。
病気ではない肌のお悩みは、保険診療では行えません。けれども、いわゆる美容皮膚科専門のクリニックに行くのはためらわれる、という方も多いかと思います。身近な地元のクリニックで美容の相談も気軽にしていただけたらと思っております。メニューは、美容手術は行いませんが、器械や治療薬など、美容専門のクリニックに負けない品揃えとしました。
また、自分の子育ての経験から、赤ちゃんをお持ちのお父様、お母様に対しては、お肌の拭き方、軟膏の塗り方に加えて、日常的に気を付けていただきたいことを細かくお話します。たとえば、お母さんの来ているお洋服が赤ちゃんのお顔の皮疹の原因になるので素材に気を付けていただく、抱っこひものひもの部分にやわらかいタオルなどを巻く、などです。

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